
こんにちは。代表の中谷です。
全国的に大雨被害が大変でしたが皆様どうぞお大事になされてください。
さて、今回は「多様性」との向き合い方について考えてみたいと思います。
ここ数年、多様性という言葉を目や耳にする機会が増えたと思いませんか?
「ダイバーシティ」という言葉が使われることも多くなりました。
今回はこの2つは同義とさせていただきます。
「いろいろな種類や傾向がある」というのが多様性の意味ですが、多様性社会というのは、「様々な特徴や背景を持った異なる人同士が認め合い受け入れる社会」ということになります。
この多様性が謳われる前はどんな社会だったと思いますか?
それは・・・「同質性」の社会です。
会社も学校も、同じようなタイプ、考え方、特徴を持った人が集まっていました。もしくは、同質になるように教育されていました。
つまり、コミュニティごとに同質の人たちが集まっていたということです。
しかし、今は社会全体の傾向として同じコミュニティの中でも多様な人の共存を認めていきましょうということになってきました。
この動き自体は世界的な動きなので私たち1個人でどうなるものではないかもしれません。
つまり、考え方としては「多様性」の社会の中でどのように上手に生きていくかに意識をシフトしていくことが大切ということです。
では、この多様性の社会の中で上手に生きていくために必要なことは何かわかりますか?
それは・・・「違いを許容する」ことです
これさえできれば多様性社会の中でも大きなストレスを抱えずに生活をしていくことが可能になります。
でも、違いを許容するとはどういうことなのでしょう?
もう少しかみ砕くとすれば「自分と相手とはいろいろなものが違うという前提に立っておく」ということです。
実は、これができるだけで皆さんのコミュニケーション上のストレスが大きく軽減されます。
一例を使ってお伝えしますね。
例えば、皆さんの家でホームパーティをすることになったと仮定してください。
その時の参加者が会社の同僚(日本人)2名と同僚が連れてきたアメリカ人(アメリカ中西部の農村地帯から初めて日本に遊びに来ていた)の計3名とします。
家に到着した際、アメリカ人の方が土足のまま家に上がり込んできました。
皆さんはどういった対応をされますか?
また、どういった感情を持ちそうですか?
同じケースで、今度は2人きた日本人の内の1人が土足で上がり込んできました。さあ、皆さん同じくどんな対応されますか?
また、どのような感情になりそうですか?
さあ皆さんいかがでしょうか?
「土足で家にあがる」という行動は同じですが、日本人の方が土足で家にあがるのとアメリカ人の方のそれとでは明らかに皆さんが受ける感情に違いが出そうではないですか?
アメリカ人に対してはそんなに怒り等の感情は出ず、日本人には怒りや呆れ、恐怖などを感じるのではないでしょうか。
ここでポイントになるのは、「行動」は同じなのに生じる「感情」は異なるということです。
相手の行動が同じなのに感じ方が違う。
この違いを生むのが「違いの許容」なのです。
先ほどのケースでいくと、アメリカ人が相手の場合には最初から文化の違いを頭で理解しています。
そのため、土足で家にあがっても怒らずに「すいません、日本では靴を脱いで家にあがるんですよ」などと冷静な対応ができると思います。
一方、相手が日本人なのに土足で家にあがるとなると「日本人なのに土足で家にあがってくる。この人ヤバい人だ」などとなります。
それは前提に「私とあなたは同じ」という認識があるためです。
前提と違う言動をされると私たちは負の感情を持つことになります。
つまりは、できるだけ「私とあなたは同じ○○」という意識から「私とあなたはそもそも○○が違う」に意識を切り替えていく必要があります。
自分と相手が「違う」ことがあたりまえになれば、いちいち「違う」ことにストレスを抱えることがなくなります。
先ほどの例のように国の違いなどは分かりやすい違いなので、皆が無意識に違いを許容できています。
しかし、これからはこれを意識的にできるようになる必要があります。
同じ会社の仲間だから、皆自分の考え方や価値観を理解してくれるということはありません。
同じ会社のメンバーでも
・年齢(世代)
・育った地域
・学校教育の内容
・家庭環境
など様々なものが違います。
ということは、自分では理解できない言動を相手がするということは十分にあり得るということです。
このことがわかっていれば、少なくとも自分が想定していた言動と「違う」言動に触れた時の受け止め方は変わってくるはずです。
怒りを覚えてもそもそもしょうがない上に意味がないということになります。
ただし、ここから先が大切です。
自分の想定外の言動をされたときにそのままにするということではなく、必要なことは冷静に指導や伝達をすれば良いということになります。
上記の例で、アメリカ人に冷静に「日本では靴を脱ぐのがルールなので靴を脱いでいただけますか?」というのがこれにあたります。
「おい、何靴はいたまま家あがってんのよ。ふざけるなよ。」などとアメリカ人に伝えることは良くないことは皆さんわかりますよね。
では、ここまでの話を皆さんの組織に落とし込むとどうなるでしょうか?
イメージできますか?
上司と部下のコミュニケーションなどはまさに今回お伝えした「違いの許容」が活きる場面だと思います。
部下の言動に頭を抱えている上司の方はいらっしゃいませんか?
そもそも生きてきた背景が違うので、皆さんの理解が及ばない言動があることはむしろ当然です。まずはそこを認識してください。
私自身、自分と世代が違う部下を抱えています。
昔は思い込みが激しかったこともあり、「何でわかってくれないんだ?」などと悩んだことも多かったですが、最近は「わかってくれない」ことでストレスを抱えることはなくなりました。
組織の中でも、特にリーダー層以上の方がこの意識を持てるようになると組織内のコミュニケーションはかなり円滑になります。
「同質性」の社会から「多様性」に社会の枠組みは変化しているにも関わらず、私たちの中身はまだ「同質性」をベースにしたところからアップデートされていません。
目に見える部分を多様化しても、それに対応できる内面を多様性に対応できるように変えていかなければそれは「絵に描いた餅」となります。
いかがでしたか?
今回は多様性についてお伝えしました。
内容が少しでも皆様のお役にたてれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。