
目次
こんにちは。パンタグラフの中谷です。
皆さんのお住まいの地域は気温いかがですか?
福岡は昨日20度を超えました。
まだ2月ですよ!!
私は早速、今年初めて半袖で近くのコンビニに買い物に出ました笑
さて、今回はハラスメントに関して踏み込んでみようと思います。
というか、踏み込みます。
皆さんついてきてくださいね!
最近、各地で研修を実施する中でよく聞く声がこれです。
- 「叱ったらパワハラって言われそうで怖い」
- 「ハラスメントが怖いから雑談しない」
- 「距離を取った方が安全」
- 「もう“無”で働くのが一番」
…皆さんの職場はこのようになってはいませんか?
分かるんです。気持ちは。
でも、はっきり申し上げますね。
それは一番危ない方向に進んでしまってます。
なぜか。
ハラスメント対策の目的は「安心して働ける職場」づくりですよね。
なのに、怖さが先に立ってコミュニケーションが減ったらどうなるか。
- 指導が薄くなる
- 本音が消える
- 誤解が増える
- 不満が溜まる
- ある日、爆発する
これ、安心ですか?
安心じゃないですよね(笑)。
だから今日のテーマはこれです。
「守り」じゃなく「攻め」のハラスメント対策。
結論:攻めとは「イエローカードを恐れず、レッドカードに行かせない」こと
攻めのハラスメント対策とは、
「取り締まりを強くすること」でも、
「言葉狩りをすること」でも、
「みんな黙ること」でもありません。
違和感・不快感の表明(=イエローカード)を早い段階で扱い、
重大な違反(=レッドカード)に育てないこと。
これです。
ここで言う「イエローカード」「レッドカード」は、法律用語ではありません。
巷で一般的に流通している公式分類でもないです。
パンタグラフが現場を混乱させないために作った“解決のための区分け”です。
世の中は白黒で語りがちです。
「それハラスメントでしょ」
「いや指導でしょ」
でも現場は、白黒の間が9割。
その“間”を扱うための整理が必要なんです。
1.なぜ今、ハラスメント対応はこんなに難しいのか
まず背景を整理しましょう。ここがズレると、全部ズレてしまいます。
【1つ目】外に出る時代になった
SNS、口コミ、スクショ、録音。
昔は社内で収まっていた火種が、今は外に出てしまう。
一度出たら回収不能です。
会社にとってのリスクは、法的リスクだけじゃありません。
- 法的リスク(損害賠償など)
- 行政リスク(指導・公表など)
- レピュテーションリスク(評判)
- 採用リスク(人が来ない)
「あの会社、パワハラあるらしいよ」
こういった風評で採用がうまくいかないことも普通にあります。
【2つ目】受け手の感じ方が重くなる領域がある
セクハラやモラハラは、受け手の主観が重くなる場面が多い。
「褒めたつもり」「冗談のつもり」でも、受け手が不快ならアウト寄りになります。
だから、みんな怖くなる。
【3つ目】パワハラは“客観”が肝
一方で、パワーハラスメントには認定要件があります。
- 優越的関係を背景にした言動
- 業務上必要かつ相当な範囲を超える
- 就業環境を害する
つまり、叱ること自体がアウトではない。
ここを理解しないと、上司や先輩が「指導放棄」をしてしまいます。
そして指導放棄の組織は、静かに崩れていきます。
- ミスが増える
- 尻拭いが増える
- 不満が増える
- 陰口が増える
- 人が辞める
これ、誰が得しますか?
誰も得しませんよね。
2.ハラスメントは「個人問題」ではなく「会社の問題」
「当人同士でどうにかして」
…ハラスメントではこれは通用しません。
法律によって、企業には防止措置が求められます。
ざっくり言うとこの3つ。
- 方針の明確化と周知(就業規則・ガイドライン・研修など)
- 相談体制の整備と運用(置くだけじゃなく“機能”させる)
- 事後の迅速・適切な対応(調査・措置・再発防止)
ここが弱いと、会社が責任を負わないといけません。
そして現代は「会社として誠実にやってるか」が見られます。
この“誠実さ”が欠けると、外に出た瞬間に詰むことになります。
3.白黒で判断しようとするから現場が困る
現場の会話って、こうなりがちではないですか?
「それハラスメントじゃない?」
「いや、指導だよ」
「でも嫌だった」
「じゃあもう何も言わない」
はい、終了。
でもね、現実は“間”が多いんです。
- ちょっとモヤっとする
- 言い方が刺さる
- 距離感が合わない
- 冗談の線引きが違う
- 価値観が違う
この“間”を放置するから、コミュニケーションの事故が大きくなる。
ここで必要なのが、パンタグラフが提起している区分けです。
4.パンタグラフの解決策:イエローカード/レッドカード
これは「世間の常識」ではなく、
現場を守るための“解決の区分け”です。
■ イエローカードとは
イエローカードとは、主観的な違和感・不快感をあらわすことです。
「なんか嫌だな」
「モヤっとする」
「ちょっと傷ついた」
ただし、重要な修正点。
イエローカードは“感じるだけ”ではありません。
相手に伝える行為まで含みます。
つまり、
- 本人に伝える(可能なら)
- 直接言えないなら、上司・人事・相談窓口に伝える
これがイエローカードです。
イエローカードは攻撃ではありません。
「ここで修正すれば、事故を防げるよ」というサインです。
イエローカードの出し方(本人に言える場合)
ポイントは2つ。
- 主語は「私は」
- いきなり「ハラスメントです」を振り回さない
例:
- 「私は今の言い方、少し不快でした」
- 「私はその表現、気になりました」
- 「私はその冗談、苦手です」
- 「私はその話題、やめてほしいです」
短くていい。長文は不要。
イエローカードの出し方(本人に言えない場合)
ここがすごく大事。現実はこっちが多いかもしれません。
- 相手が上司
- 逆ギレが怖い
- 立場的に言いづらい
- 関係が壊れそう
- 周囲も巻き込まれそう
この場合は、相談でOK。
上司、人事、社内窓口、外部窓口。
ここで会社が徹底すべき原則はこれ。
- 守秘義務
- 報復禁止
これが担保されない相談窓口は「飾り」でしかありません。
飾りなら、置かない方がマシ(言い切ります)。
■ レッドカードとは
レッドカードは、個人が感情で出すものではありません。
会社(組織)が客観的事実を確認し、就業規則や法律に照らして違反と認定し、懲戒等の対象になり得る状態。
ここがレッドカードです。
特徴としては、
- 継続性・反復性
- 悪質性
- 業務上の必要性を逸脱
- 人格否定・尊厳侵害
- 就業環境の重大な悪化
レッドは「対話」だけで終わらない。
組織が介入して止める領域です。
5.攻めのハラスメント対策とは「イエローカードを恐れないこと」
攻めの本質はこれです。
イエローカードがあたりまえの職場を作る。
- 言える
- 相談できる
- 受け止められる
- 修正できる
これができる組織は、レッドが減ります。
当たり前ですよね。火が小さいうちに消すから。
逆に、守りに入りすぎるとこうなる。
- みんな黙る
- 指導が消える
- 雑談が消える
- 相談が消える
- そして爆発だけ残る
これが一番危ない状態です。
6.具体例で見てみよう(パワハラ/セクハラ/モラハラ)
事例1:「君は若いから分からない」
言った側:軽いノリ
受け手:属性で決めつけられて傷つく
この段階は、まずイエローカード。
受け手:
「年齢で判断されるのは悲しいです。内容で見てほしいです」
行為者:
「ごめん、軽い気持ちだった。やめるね」
これで終わる話です。
でも、これが反復され、皆の前で繰り返され、嘲笑が混ざると、モラハラ寄りになっていきます。
ポイントは 反復性+公開処刑化 です。
事例2:「その服、スタイル強調されていいね」
褒めたつもりでも、身体に言及している時点でセクハラの火種になります。
受け手が不快なら、止める。
受け手:
「服の感想は嬉しいんですが、体型に触れられるのは苦手です」
行為者:
「ごめん、気をつける」
“つもり”の勝負を始めると泥沼です。
ここは勝ち負けじゃありません。相手が不快なら修正です。
事例3:毎日進捗確認に来る上司
「毎日来る=パワハラ」ではありません。
業務上の必要性があるならOK。
ただし、やり方がアウトに寄るケースがあります。
- 人格否定が混ざる
- 皆の前で詰める
- 晒す
- 無理筋で責める
ここが入るとパワハラ化してしまいます。
大事なのは 目的(進捗管理) と 手段(相当性) のセット。
事例4:無視・挨拶を返さない・席を外す
これ、モラハラで多い。地味に効きます。
「暴言より効く」こともあります。なぜなら毎日積みあがるから。
上司が止めるべき。
「好き嫌いは自由。ただし業務の最低限(挨拶・連絡)は義務」
反復したり、孤立させることで改善が見込めないならレッド寄りになってしまいます。
事例5:叱責のライン(指導 vs パワハラ)
遅刻を注意する → OK(必要性がある)
「お前の脳みそ溶けてるのか」 → アウト(人格否定)
ここでは、口調の強さより内容が問題となります。
通常の指導しかしていなければパワハラを恐れることはありません。
7.実践:受け手・行為者・管理職が“今日から”できること
【受け手】イエローカードの基本動作
- 溜めない(溜めると爆発する)
- 短く言う(長いと揉める)
- 「私は」を主語にする
- 言えないなら相談する(これもイエロー)
テンプレ:
- 「私は今の言い方、少し不快でした」
- 「私はその話題、苦手です」
- 「私はやめてほしいです」
【行為者】受け止め方で勝負が決まる
NG:
- 「そんなつもりじゃない」
- 「冗談じゃん」
- 「気にしすぎ」
OK:
- 「不快にさせてごめん。次から気をつける」
- 「そう感じたんだね。教えてくれてありがとう」
これが言える人は、大事故を起こしません。
【管理職】空気を作るのが仕事です
管理職に言いたい。
「何も言わない」は優しさじゃないです。放棄です。
やることはこれです。
- 相談を歓迎する(黙らせない)
- 守秘と報復禁止を徹底する
- 事実を整理する(感情の判定をしない)
- イエロー段階で介入する
そして“地味に効く”ルールを入れる。
例:
- 呼称を「さん」に統一
- 1対1の食事ルール(必要なら)
- 容姿・恋愛・家庭の話題の扱い基準
- 飲み会強制禁止
- 相談者の不利益禁止(明文化)
8.よくある誤解を潰す
Q:イエローカードが増えるとギスギスしない?
出し方次第です。
攻撃として出すとギスギス。
修正のサインとして出すと健全化。
そもそも、相手のことを知らなければ相手の不快を避けることはできません。
相手を知るためには最低限コミュニケーションが必要ですよね。
イエローカードがゼロという職場は、だいたい“我慢してる”だけです。
Q:指導できなくならない?
パワハラの要件(必要性・相当性)を理解し、人格否定を避ければ指導できます。
「指導」と「攻撃」を混ぜるから問題になる。分ければいい。ただそれだけです。
Q:相談窓口に行くと大事になる?
大事にしないために行くものです。
イエローカードの段階でことを納めるのが最善。
9.パンタグラフが目指すのは「恐れて距離を取る職場」からの脱却
最後に、ここだけは強く言っておきます。
ハラスメント対策は、距離を取るためのものではありません。
むしろその逆です。
距離を縮めるためのものです。
怖いから黙る。
怖いから避ける。
怖いから何も言わない。
それは一時的に平和に見えます。
でも、沈黙の職場は、だいたい後から爆発します。
そして爆発したら、回復に時間がかかる。
つまりは業務にも大きな支障がでる。
だから、攻め。
イエローカードを恐れない。
レッドカードには行かせない。
この仕組みを作る。
これだけです。
まとめ
攻めのハラスメント対策はこうだ!
【1つ目】パワハラは客観、セクハラ・モラハラは主観も重い。基準を理解する。
【2つ目】イエローカード/レッドカードを区分けする(パンタグラフの解決策)。
【3つ目】イエローカードが回る文化を作り、レッドを減らす。
いかがでしたか?
ハラスメントを恐れてコミュニケーションがどんどん疎遠・散漫・おろそかに。
これを変えていくお手伝いをするのが私たちパンタグラフです。
ハラスメントに関してお困りのことがありましたら一度ご相談ください。
今回も、最後までお読みいただきありがとうございました。