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カスタマーハラスメントとクレーム対応の関係性について

代表ブログ

2025.10.20



こんにちは。パンタグラフの中谷です。
やっと涼しくなってきたな~と思う今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
でも、もう10月末に差し掛かろうとしてます。
あ~怖い、、、

さて最近、企業を取り巻く課題の中でも「カスタマーハラスメント(カスハラ)」という言葉をよく耳にするようになりました。

厚生労働省も「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」などを公開するなど、国としても重要な課題として取り組み始めています。

今回は、このカスタマーハラスメントと、これまで一般的だった「クレーム対応」、さらには他のハラスメント(パワハラ・セクハラ等)との違いについても触れながら、私なりの考察をお届けします。

目次

  • 1. カスタマーハラスメントとは何か?
  • 2. カスハラとクレーム対応の違い
  • 3. 他のハラスメントとの決定的な違い
  • 4. カスハラ対策はなぜ重要なのか
  • 5. 実践的なカスハラ対策とは?
  • 6. カスハラ対策が企業ブランディングになる
  • 7. 最後に

1. カスタマーハラスメントとは何か?

カスタマーハラスメントとは、顧客(または取引先など)から、業務の範囲を超えた過剰な要求や人格否定的な言動などによって、従業員が精神的・身体的苦痛を受けることを指します。

たとえば、以下のようなケースが該当します。

  • 長時間のクレーム電話で謝罪を強要される
  • 土下座を要求される
  • 人格を否定するような暴言を浴びせられる
  • SNSで企業名を晒すと脅される

もちろん、正当なクレームや意見は大切です。しかし、その手段や態度が行き過ぎた場合、従業員を守る立場から「カスタマーハラスメント」として適切に対応する必要があります。

2. カスハラとクレーム対応の違い

企業としては、カスハラとクレームの線引きが難しいのが現実です。

クレームとは、「商品やサービスへの不満や改善要望」であり、本来は組織にとって貴重なフィードバックです。

一方、カスハラは「不当な要求や人格攻撃を含む言動」であり、明確に一線を画す必要があります。

見極めのポイントは以下です:

  • 問題提起の目的が業務改善か、単なる攻撃か?
  • 言動に暴力性・執拗さがあるか?
  • 不満に対して誠実に対応しても納得しようとする姿勢があるか?

これらの視点をもって、クレーム対応とハラスメント対応を使い分ける必要があります。

3. 他のハラスメントとの決定的な違い

ここで、パワハラ・セクハラ・マタハラなどとカスハラの違いを整理しておきましょう。

一般的なハラスメントの特徴:

  • 加害者・被害者ともに社内の人間

  • 主に社内制度や人間関係の中で発生

  • 対応策は内部ルール・教育・評価など

  • 一方、カスハラは:

  • 加害者が「社外」(顧客・取引先)

  • 対応には外部対応の視点が必要

  • 従業員を守るための「会社の姿勢」が鍵

  • つまり、カスハラは「社外からの攻撃にどう会社が盾になるか」が問われる課題なのです。

    4. カスハラ対策はなぜ重要なのか

    カスハラへの備えは、単なる危機管理ではありません。

    企業の信頼性・従業員満足度・定着率、さらには採用活動にも直結します。

    • 従業員の離職防止
    • 職場の心理的安全性の向上
    • 働きがいのある会社としてのブランド力強化

    特に接客業や医療・福祉などの対人業務では、従業員が「自分を守ってくれる会社」かどうかが定着に直結します。

    5. 実践的なカスハラ対策とは?

    では、実際にどのような対策が必要か?

    • 社内マニュアル・ルールの明文化(対応NG例を含む)
    • 従業員への教育・対応訓練
    • 相談窓口の設置と周知
    • 現場責任者への判断支援体制
    • クレームとハラスメントの違いの教育

    さらに重要なのは、「組織として守る姿勢の明確化」です。

    トップメッセージ、社外への発信、社内報での啓発など、企業全体での取り組みが信頼を生みます。

    6. カスハラ対策が企業ブランディングになる

    意外かもしれませんが、カスハラ対策は「採用戦略」においても有効です。

    近年は求職者側も、企業の「心理的安全性」や「働きやすさ」を重視しています。

    特にZ世代を中心に、

    • 理不尽な扱いをしない
    • 個を尊重してくれる
    • 自分を守ってくれる

    といった視点で会社を見ています。

    「カスタマーハラスメントを許しません」と掲げるだけで、採用広報としても強い武器になります。

    7. 最後に

    今回はカスタマーハラスメントとクレーム対応の違い、そしてその重要性についてお伝えしました。

    働く環境を守るという観点からも、企業にとって非常に大切なテーマだと私は考えています。

    パンタグラフでは、カスハラ対策研修や対応フロー整備のご支援も行っています。

    お気軽にご相談ください。

    最後までお読みいただきありがとうございました。

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